新築施工管理とリフォーム施工管理ではどんな違いがあるのでしょうか。
リフォーム施工は新築施工と違い、利用者のいる中で工事を行うことが多いです。
そのため、生活スペースを確保するために考慮しなければならないことがたくさんあります。
本記事では、施工管理の意味や仕事内容、資格について解説していきます。
施工管理とは?
施工管理ではスケジュール通りに工事を進めるために工事に関連する様々なことを管理します。
特にリフォームの施工管理では、利用者のいる中の工事となるため水道や電気を使えるようにしておかなければならないなど考慮すべき点が多く存在します。
制限が多い中、スピードも重視されるため柔軟で的確な判断が必要です。
安全管理
現場に出入りする人や近隣の住人など、現場近くのすべての人の安全を守らなければなりません。
工事を安全に行うための手配を行います。
現場の安全管理
現場で怪我や事故がないように注意喚起の看板を設置や、火事が起こらないように火事の原因となる喫煙所の管理をします。
また、天候にも気を付けなければなりません。暴風で機材が飛ばされないように室内へ移動や、雨で材木が痛まないようにシートをかけておきます。
安全管理を行っていてもすべての事故を完全に防ぐことはできません。
もしも事故や災害が起こった時に労災保険や現場保険に加入しておく必要があります。
近隣の安全管理
現場に出入りする人だけでなく近隣の安全も守らなければなりません。
機材を運ぶためにトラックの出入りが多くなります。さらに住宅街であれば子供の登下校の道と被ることもあるでしょう。
近隣の住民にあらかじめ工事の告知をして理解を得ておきましょう。人通りの多い時間での工事を避け、交通整理員の配置が必要です。
工事を行うときには飛散物が発生します。防ぐためのシートやネットも欠かせません。
品質管理
施主の要望に沿った品質を満たさなければなりません。そのために品質評価の対象となる作業ごとに試験をし、規定を満たしているかを確かめます。
搬入された資材の確認、試験の結果、工程ごとの写真など仕様書に沿って作業ができているかを確認できるように様々な情報を記録していく必要があります。
工程管理
工期までに工事を終わらせられるようにスケジュール管理をします。
特にリフォームでは工期も短く、想定外のトラブルも発生しやすいため工程管理が重要となります。
施主と相談しながら工程表を作成し、実際の工事進捗と照らし合わせ調整していきます。
原価管理
原価管理とは、材料費や外注費などどれくらい原価がかかるかを計算し管理することです。
赤字を回避するために適切な費用で工事を行う必要があります。
「完成工事原価報告書」の提出も建設業許可を取得するために必要となるため、建設業での原価管理は大変重要です。
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リフォーム施工管理と他の施工管理との違い
リフォームの施工管理は新築の施工管理と比べてより臨機応変さが必要とされます。
大きな理由としてリフォームは利用者がいる中の工事ということが挙げられます。
新築工事の場合ある程度の余裕をもって工事のスケジュールが建てられますが、リフォームではできる限りの短い工期で設定されることが多いです。
また、新築の場合は似た設計の建物を建てることが多いですが、リフォームはそのようにはいきません。
骨組みから材質、老朽化の具合など建物の状態までリフォームで扱う建物は同じものがありません。工事が始まってからでないとどのような状態であるかわかりません。
雨漏りやシロアリなど予想していないところで追加費用が必要になったり工事が止まってしまう可能性があります。建物によって判断できる臨機応変さと豊富な知識が必要となります。
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施工管理の業務内容
施工管理の業務内容は施主とのヒアリングから業者の手配、見積書の作成や現場管理など工事に関わる様々な仕事があります。
ヒアリング
施主と打ち合わせを行い、要望を的確に把握します。
ヒアリング内容をもとにどのような工事が必要となるかを説明し、両者の認識にズレがないようにします。
現場調査
本当に施主の要望に沿った工事が可能かどうかを実際の現場で確認します。
また、機材の搬入ルートや寸法なども前もって把握しておきます。
見積書の作成
施主の予算と工事の要望をもとに予算を作成します。
予算内で見積ができない場合はコストを削減した代替案を提案して、見積書の時点で施主が納得できる形にしておきましょう。
予測していないトラブルが発生する可能性があるため、追加工事による費用の説明もきちんと行っておく必要があります。
見積書の作成にはテンプレートやシステムを利用すると便利です。
一から見積書を作成すると大変手間がかかります。自社でテンプレートを標準化しておくとよいでしょう。
こちらは弊社が作成したエクセル形式とワード形式の見積書テンプレートです。
無料で利用できますので、ぜひ見積書の作成にご活用ください。
現場管理
工事を円滑に進められるように様々な配慮が不可欠です。
現場と近隣の安全管理はもちろん、工事によるクレームを防ぐための近隣への挨拶や飛散物防止の養生を徹底します。
施工管理技士とは
施工管理技士とは施工管理の国家資格であり、内容によって7つに分けられます。 施工管理技士の資格を取得していると主任技術者や監理技術者としても重宝されるため、様々な場面で活躍できるでしょう。
1級2級によって実務経験の年数などの受験資格や試験内容も異なってきます。 令和3年から「技士補」も新しく創設されました。
- 建築施工管理技士
- 建設機械施工技士
- 電気工事施工管理技士
- 電気通信工事施工管理技士
- 土木施工管理技士
- 管工事施工管理技士
- 造園施工管理技士
詳しくは以下のページをご覧ください。
施工管理技術検定資格のいらないリフォーム工事
リフォームを行うにあたり必ずしも資格が必要というわけではありません。
軽微な建設工事であれば建築士などの資格がなくても行なうことができます。
建設業を営もうとする者は、軽微な建設工事のみを請負場合を除き、建設業法第3条の規定に基づき、建設業の許可を受けなければなりません。
「建築一式」、「請負金額が1,500万円未満」など軽微な建設工事であるかどうか判断するためにはいくつかの条件が必要です。
リフォームの場合には条件によって建築一式と判断されないことがあるため注意してください。
軽微な建設工事とは
建設一式工事については工事1件の請負代金が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡の木造住宅工事。
引用元:国土交通省 建設業の許可とは
建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金が500万円未満の工事。
リフォーム施工管理にも『建築業向け管理システム アイピア』
まとめ
リフォームの施工管理について詳しく見ていきました。
リフォーム施工管理では豊富な知識と急なトラブルへの柔軟な対応力が必要となります。
施主の要望にできるだけ沿った工事ができるように施主とのコミュニケーションも大事にして、常に様々なところに考慮することが重要です。